骨・歯の強化、骨粗しょう症予防

ヨーグルトの効果・効能として代表的なものは整腸作用ですが、その次に来るのは骨の強化でしょう。

骨を強くする食べ物の代表は魚ですが、魚を毎日食べる習慣が少なくなっている昨今では、牛乳かヨーグルトがもっとも手軽に骨を強化できる食品となっています。

その中で大人に関しては牛乳を敬遠する人が多いため、現在ではヨーグルトが骨を強くする食べ物の代表となっていると言えます。

骨を強くする必要性

骨は言うまでもなく人間の基本となる組織ですので骨が損傷すれば日常生活に支障がでます。

近年、高齢化社会に伴い問題になっているのが骨粗しょう症の増加です。骨粗しょう症とは骨密度が低くなり、骨が折れやすくなる症状です。

骨粗しょう症になった高齢者が骨を折ると治りにくく、そのまま寝たきりになってしまうケースもあります。

骨粗しょう症にならないためには、食事と運動に気を使い、若いうちから丈夫な骨を維持しておくことが大事です。

特に閉経後の女性は骨粗しょう症が発症する割合が高いので、意識して骨を強くする必要があります。

ヨーグルトが骨の強化に効果的な理由

骨の強化に必要なのはカルシウムを中心としたバランスの良い食事と適度な運動です。

ヨーグルトにはカルシウムが豊富に含まれている上、ミネラルやたんぱく質がバランスよく含まれているためカルシウムの吸収を促進します。

ヨーグルトは調理の必要がないため、手軽にそして高率的に骨の強化を促進します。

乳糖不耐症の多い高齢者にも適している

ヨーグルトに含まれる成分は牛乳とそれほど変わらないため、当然、牛乳も骨を強くする食品と言えます。

しかし、牛乳はお腹の調子が悪くなるという理由で敬遠されることが多くあります。これは牛乳に乳糖という成分が入っているためです。

乳糖は腸内でラクターゼという酵素によって分解されますが、体質的にラクターゼの分泌量が少ない人は乳糖を分解できず、一種の消化不良が生じます。これが乳糖不耐症と言われるもので、牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなる原因です。

ラクターゼは大人になるにつれ分泌量が減ってくるため、多くの大人は乳糖不耐症になっており、その結果牛乳を敬遠するケースが多くなります。

一方、ヨーグルトは乳酸発酵段階で多くの乳糖が分解されるため、牛乳と比べるとお腹の調子が悪くなりません。

そういった意味でヨーグルトは高齢者の骨の強化にも適した食べ物と言えます。

骨を強くするために食べるべきヨーグルトの量

強い骨を維持するにはどのくらいのヨーグルトを食べればよいのでしょうか。

厚生労働省による「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、成人のカルシウム摂取量の目安は1日あたり550mg~650mgです。

平成25年の国民健康・栄養調査によると通常の食事をしていれば1日あたり500mg弱のカルシウムは摂取しているようなので、あと100~150mg程度カルシウムを余分に摂れば良い計算になります。

ヨーグルトに含まれるカルシウムは100g中120mgとされているので、大体1日あたり85~125mg程度食べればよいでしょう。

骨を強くするためにヨーグルトと一緒に食べると良い食品

体内にカルシウムを吸収するためにはビタミンDが必要です。残念ながらヨーグルトにはビタミンDがそれ程含まれていません。

ですので、ヨーグルトを食べると伴にビタミンDを含む食品を食べるとより骨の強化に効果的です。

ビタミンDを多く含む食品には次のようなものがあります。

  • しらす干し
  • いわし
  • うなぎ
  • きくらげ
  • etc.

また、ビタミンDは紫外線を浴びれば体内で生成されますので、5分~30分間程度外で運動することもお薦めです。

骨の強化を目的とする上でのヨーグルトの注意点

ヨーグルトは豊富なカルシウムを含み骨を強くしますが、いくつか注意点があります。

重度の乳糖不耐症の場合はヨーグルトを避ける

ヨーグルトは牛乳に比べ乳糖の数が少なくなっていますが完全に無くなるわけではありません。

重度の乳糖不耐症の場合、やはり体調を崩す恐れがあるのでヨーグルトは避けた方が無難です。

豆乳ヨーグルトにはカルシウムが少ない

ヨーグルトの種類の中でも牛乳由来ではなく豆乳由来の豆乳ヨーグルトは、カルシウムの含有量が少ないため骨を強くする効果はあまり期待できません。

骨を強くしたい場合は牛乳のヨーグルトを食べましょう。

その他の留意点

その他、注意点ではありませんが「牛乳をはじめとする乳製品を摂取すると逆に骨粗しょう症になりやすくなる」という説があります。

これはスウェーデンの研究者による論文が発端のようで、その後も牛乳が骨粗しょう症の原因と唱える人達がいます。

彼らの論理は「アメリカ・北欧など牛乳をよく飲む地域では骨折が多い」「カルシウムを多く摂ると体内の調整機能が過剰に働いて必要なカルシウムまで排出してしまう」といったものです。

この説が正しいか否かの最終的な結論は出ていませんが、多くの学者がこの説を否定しています。実際、この手の説は非常に少数で、乳製品とカルシウムに関係する研究論文の殆どは乳製品は骨の強化に有効であると報告しています。

厚生労働省でもヨーグルトの骨に対する有効性を説いていますので、安心してヨーグルトを食べてよいと思われます。

⇒ その他のヨーグルトの効果や効能を見る

最後まで読んで頂きありがとうございます

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