ヨーグルトの注意点と副作用・危険性

ヨーグルトにはいくつかの注意点副作用危険性があります。深刻なものではありませんが、それらを知っておくことはヨーグルトのリスクを避けたり、効果や効能を得やすくするために必要なことと言えます。
※ヨーグルトの効果や効能に関してはこちら(ヨーグルトの効果&効能21選)をご覧下さい。

ヨーグルトの効果・効能を期待する際の注意点

ヨーグルトの効果や効能を知る前に、理解しておくべき事柄があります。これらのことを理解しておかないと期待した効果が得られない可能性があります。

ヨーグルトは種類によって効果・効能が異なる

ヨーグルトに含まれる乳酸菌はヨーグルトの効果・効能に大きな影響を及ぼします。しかし、乳酸菌とは乳酸を産出する細菌の総称のことであり、非常に多くの種類があります。

そしてその乳酸菌の種類によって働きが異なるため、ヨーグルトも含まれる乳酸菌によって効能が異なってきます。

つまり、特定の効果や効能を期待する場合は、それに合った乳酸菌を含むヨーグルトか確認する必要があります。

牛乳ヨーグルトと豆乳ヨーグルト

前段では乳酸菌の種類によって効果・効能が異なることをご説明しましたが、同じように原材料の違いによっても同様のことが言えます。

ヨーグルトは主に牛乳から作られるのが一般的ですが、最近では豆乳から作るヨーグルトも増えています。

牛乳、豆乳は両方とも栄養価の高い食品ですが、含まれる成分が大きく違います。また、牛乳ヨーグルトが主に動物性乳酸菌(動物・人由来の乳酸菌)を含むのに対し、豆乳ヨーグルトは植物性乳酸菌(野菜や穀類など植物由来の乳酸菌)が含まれていることが多いのも効果や効能が変わってくる要因です。

牛乳ヨーグルトと豆乳ヨーグルトは全く違う食品と言っても過言ではありません。詳細の相違点は個々の効果・効能においてご説明しますが、個人的な印象としては、牛乳ヨーグルトは成長期に、そして豆乳ヨーグルトは成人期に適した効能が多いと思われます。

殆どの乳酸菌は腸に届く前に死んでしまう

ヨーグルトの効果・効能の多くは乳酸菌の働きによるものですが、残念ながら通常のヨーグルトの場合、乳酸菌が生きて腸まで届くことは殆どありません。

ヨーグルトは製造過程で熱殺菌されるため、そこで大半の乳酸菌は死にます。たとえ乳酸菌が死ななかったとしても私達の消化過程で胃酸や胆汁酸により殆どは死滅します。

しかし乳酸菌は死んでも一定の効果があることが分かっています。死んだ乳酸菌は体内に存在する乳酸菌のエサとなり、結果として体内の乳酸菌を増加させるからです。ヨーグルトメーカーによっては乳酸菌の生死は効果にあまり関係ないとまで言うところもあります。

とは言え、生きた乳酸菌の方が効果性が期待できるという見方も強くあります。特に特定の効果を求める場合は乳酸菌自体の働きが必要になるため乳酸菌は生きている必要があるでしょう。

そういった場合は「生きて腸まで届く乳酸菌」、「プロバイオティクス」と銘打ったヨーグルトを選ぶとよいでしょう。これらの商品の多くは特別な製造方法により生きた乳酸菌が含まれています。

ヨーグルトの効果を期待する場合はある程度の量が必要

ヨーグルトの効果や効能の多くは乳酸菌によるものですが、その乳酸菌が効果を発揮するにはある程度の数(量)が必要です。数が少ないと効果を発揮できないばかりか他の細菌(悪玉菌)が増殖することで更に数が減少していきます。

乳酸菌の数を増やして効果を得るためには、一定量以上のヨーグルトを一定期間以上食べ続ける必要があります。

一般的にヨーグルトの効果を得る目安としては、200~500g以上のヨーグルトを最低2週間~1ヶ月間食べ続ける必要があるとされます。

ヨーグルトの効果や効能は持続しない

ヨーグルトに含まれる乳酸菌は体内に定着することは殆ど無く、長くても二週間ほどで便と一緒に排出されてしまいます。

乳酸菌による効能は体内に存在している場合にのみ有効ですので、乳酸菌によるヨーグルトの効果は長くても二週間程度ということになります。

つまり、ヨーグルトの効果を持続させたい場合は、継続してヨーグルトを食べる必要があります。

ヨーグルトは薬ではない

ヨーグルトの効果・効能は多くの研究報告で確認され信ぴょう性も高いと言えますが、その効果は薬と違い非常に緩やかです。

効果を期待するには、前述の通りそれなりの量や時間が必要です。また、日常における不健康な生活を凌駕する程の効果は期待できません。つまり、いくらヨーグルトを食べても寝不足や偏食、過労などが酷ければそれほど効果は期待できないということです。

ヨーグルトの効果を期待するのであれば、一般に言われる「規則正しい生活」「バランスのとれた食事」「適度な運動」なども心がけましょう。

ヨーグルトの副作用・危険性

過去に「牛乳などの乳製品は体に悪い」という論説が話題となり、牛乳賛否論争が巻き起こったことがあります。その流れの中には「ヨーグルトも体に悪い」という意見も含まれていました。(細かい内容や経緯、見解は改めて別の記事で詳しくご紹介しようと思います。)

この論説は今でも根強く信じる人が少なからずいますが、基本的に牛乳およびヨーグルトは健康効果が高く、安全な食品というのが一般的な見解です。私もこの論争について色々調べてみましたが一般的な見解と同様の考えに至っています。

しかし、この論争とは別にヨーグルトにはいくつかの副作用や危険性があるのも確かです。それは次のものです。

牛乳ヨーグルトに含まれる脂質は生活習慣病のリスクを高める

一部のヨーグルトにはコレステロールを下げる効果がありますが、ヨーグルトに含まれる脂質は飽和脂肪酸のため、食べ過ぎると血管内のコレステロール濃度が高くなる可能性があります。

コレステロール濃度の上昇は動脈硬化の原因となり、心筋梗塞など生活習慣病のリスクが高まります。また、脂質は太る原因にもなります。

事実、ヨーグルトの効能を発見したイリヤ・メチニコフは動脈硬化が原因で死んでいます。彼の死因とヨーグルトの因果関係を示す根拠はありませんが、イリヤ・メチニコフは死ぬまでの8年間にわたりてヨーグルトを大量に食べていたそうです。

とは言え、飽和脂肪酸は必要な栄養素でもあるので、問題になるのは食べ過ぎた場合によるものです。

もし、コレステロールが気になるようであれば、最近は脂質ゼロのヨーグルトも多く販売されているので、それらを利用するといいでしょう。また、コレステロールを下げたい場合は、豆乳ヨーグルトを食べるようにすると良いでしょう。

乳糖不耐症の場合は下痢になる

ヨーグルトは乳糖が分解されているので、乳糖不耐症の人や乳糖をうまく分解できない人でも安心してヨーグルトを食べられると言われることがあります。

しかし、ヨーグルトで分解されている乳糖は牛乳の20~40%程度と言われ、半分以上は残っています。

従って、牛乳よりは下痢の症状が軽くなるとは言えますが、完全にリスクが無くなる程ではありません。

アレルギー症状が発症する

当然のことですが、乳アレルギーの場合は牛乳ヨーグルト、大豆アレルギーの場合は豆乳ヨーグルトを食べるとアレルギー症状が発症する可能性があります。

ですので、乳アレルギーの方は豆乳ヨーグルト、大豆アレルギーの方は牛乳ヨーグルトを食べるとよいでしょう。

乳酸菌が合わない場合がある

「便秘を治そうと思ってヨーグルトを食べたら便秘が酷くなった。」「美肌の為にヨーグルトを食べたらニキビができた。」といったようにヨーグルトの効果・効能とは真逆の症状がでることがあります。このようなケースはその種類の乳酸菌がその人に合っていない可能性があります。

ヨーグルトに含まれる乳酸菌は様々な種類があり、人によってそれぞれ相性があります。これは体内の腸内細菌の構成が人それぞれ異なり、その構成がヨーグルトに含まれる乳酸菌の作用に影響を及ぼすからです。

通常は相性が悪い乳酸菌を摂取しても効果を得られない程度で済みますが、人によっては腸内環境を乱す原因になったり、軽いアレルギーのような症状がでることがあります。

その場合でも他の乳酸菌を含むヨーグルトでは効果を得られることが殆どなので、少しおかしいと思ったら他のヨーグルトに変えれば良いでしょう。

お薦めのヨーグルトと食べ方

ヨーグルトの効果や効能を得たいがヨーグルトの注意点や副作用・危険性が気になるという方は次のようなヨーグルトの食べ方をお薦めします。

  • 豆乳ヨーグルトもしくは脂肪分0(ゼロ)のヨーグルトを食べる。
  • 1日200g以上を2週間以上食べる。
  • 乳酸菌が合わないようならすぐヨーグルトを変える。
  • 2週間食べても効果を全く感じられなかったらヨーグルトの種類を変えて同様に試す。

ヨーグルトにおける一番の危険要素は「脂質」です。ヨーグルトの効果を得ようとする場合には大量のヨーグルトを継続して食べる必要があるため、この脂質のリスクが非常に高まると言えます。

そこで、脂質の少ないヨーグルトを選ぶことが大前提となります。豆乳ヨーグルトにも脂質が含まれていますが、植物性な上にリスク要因である飽和脂肪酸が少ないので非常に安心です。

また、最近では脂質0(ゼロ)のヨーグルトも多く販売されています。多少味は落ちますが健康のためには脂質は極力避けるべきです。

その他のリスク要因は個々におけるものなので、何か問題が起きたり効果が見られない場合は他のヨーグルトで試し、自分にあったものを探すことで解決していく必要があります。

最後まで読んで頂きありがとうございます

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