手作りヨーグルトの種菌
ヨーグルトの種菌(スターター)とは
種菌とはその名の通り、ヨーグルトの種となる乳酸菌の塊のことです。正確には細菌全般に使われる用語で、大量増殖させるために純粋培養された菌のことです。菌株とも呼ばれます。
種菌に栄養(多くの場合は牛乳)を与え適切な環境条件にすると、種菌は増殖し発酵が起こってヨーグルトができます。ヨーグルトを作る時に最初に必要になるものなのでスターターとも呼ばれます。
基本的に種菌が無ければヨーグルトを作ることはできません。種菌はヨーグルトの核のようなもので、種菌によってヨーグルトの性質や効果・効能が決まります。
種菌の種類
ヨーグルトにおける種菌とは乳酸菌そのもののことですが、個人がヨーグルトを手作りする場合、純粋な乳酸菌のみを入手することは難しいので次の3つのものを種菌とするのが一般的です。
その3つの種菌のご紹介とそれぞれメリット、デメリットをご説明します。
1.既存のヨーグルト・乳酸菌飲料を種菌にする
既存のヨーグルトや乳酸菌飲料はそのまま種菌にすることができます。
市販のヨーグルトや乳酸菌飲料でも種菌になりますし、一度手作りしたヨーグルトなども次からは種菌として利用することができます。つまり、一度、ヨーグルトを作るとそれを元にどんどん増やすことができるのです。
ヨーグルトの効果・効能は既存のヨーグルト・乳酸菌飲料に含まれている乳酸菌の性質がそのまま引き継がれます。
既存のヨーグルト・乳酸菌飲料を種菌にするメリット
- 手軽に入手できる。
- コストが安い。
- 様々な種類の乳酸菌が選べる。
- ヨーグルトを作るのが比較的簡単。
既存のヨーグルト・乳酸菌飲料を種菌にするデメリット
- 意図した乳酸菌で発酵するか分からない。
市販のヨーグルトや乳酸菌飲料は通常複数の乳酸菌が含まれています。手作りの場合、メーカーなどと同様の製法を行うのは無理なので、条件が合わず一部の乳酸菌でしか発酵できない可能性があります。つまり、商品とは別のヨーグルトができる可能性があります。 - 種菌にする回数に限度がある。
主に動物性種菌の場合ですが、同じ種菌を引き継いで繰り返しヨーグルトを作ると次第に乳酸菌が弱ってくる傾向があります。大体3世代ぐらいが限度でそれ以降は発酵が弱くなることがあります。
2.市販の種菌を使う
手作りヨーグルト用の種菌は商品としても販売されています。様々な種類が販売されていますが、多くのものは粉末もしくは顆粒状のもので乳酸菌と脱脂粉乳のみといった純度の高いものとなっています。
多少コストはかかりますが、明確な乳酸菌の効果を得たい場合や確実にヨーグルトを作りたい場合は市販の種菌を使うのがお薦めです。
市販の種菌を使うメリット
- 乳酸菌の種類が明確。
- 純度が高い。
- 衛生面で優れている。
- 乳酸菌の信頼性が高い。
市販の種菌を使うデメリット
- コストがかかる。
3.種菌を手作りする
最後は種菌を手作りする方法です。実は乳酸菌は空中にも漂っているどこにでもあるありふれた菌です。
手作りで種菌をつくる場合は、植物に付着した乳酸菌を使う場合が殆どです。理由としては植物由来の乳酸菌は入手しやすい上、生命力が強く、増殖しやすいからです。
気分的な安全性も考えて、植物の中でも食品が使われることが多く、その中でも玄米(発芽玄米)を使うケースが増えています。
種菌の作り方は、玄米などに付着した乳酸菌をそのまま乳酸発酵させてヨーグルト状の種菌を作る場合と乳酸菌液(リジュベラック)という液体を種菌にする二種類の方法が一般的です。
※種菌を手作りする方法はこちらを参照ください。
手作り種菌を使うメリット
- 手作り感が高い。
- コストが安い。
- 純植物由来の乳酸菌を使ったヨーグルトを作ることができる。
- 乳酸菌の力が強い。
- 何度も種菌として使える。
植物由来の乳酸菌から作った種菌は動物由来の種菌と違い、同じ種菌を引き継いでヨーグルトを作っても乳酸菌が弱ることがあまりありません。その為、作ったヨーグルトを繰り返し種菌として利用することができます。
手作り種菌を使うデメリット
- 手間がかかる。
- 作るのに失敗する可能性が高い。
- 乳酸菌の種類が明確でない。
- 乳酸菌以外の菌が発酵ししている可能性がある。
- 健康被害の可能性がある。
衛生管理が難しい上、乳酸菌がうまく増殖できないと腐敗菌が増殖する可能性があるため、食中毒などの危険性を認識しておく必要があります。
種菌の使い方
種菌は牛乳か豆乳に混ぜて、適切な温度で適切な時間保温すれば乳酸菌が発酵してヨーグルトができます。
余った種菌は発酵が進まないように冷蔵庫で保存します。比較的長期間保存できますが、一週間ぐらいを過ぎると乳酸菌が弱ってくると言われます。
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