ビタミン不足解消
ヨーグルトには様々な栄養成分が含まれています。豊富に含まれているのはカルシウムを始めとするミネラルですが、ビタミン不足解消にも効果が期待できます。
しかしながら、ヨーグルトには他の食材と比べ突出してビタミン類が多く含まれているかと言うとそうでもありません。含有量で言うと中の上ぐらいという感じです。では、何故ヨーグルトがビタミン不足解消に効果があると言われるのでしょうか?
ヨーグルトがビタミン不足を解消する5つの理由
それは次のような5つの理由があります。
1.各種ビタミンがバランスよく含まれている
ビタミンの多くは体内で補酵素として働きますが、その際、単独ではなく複数種のビタミンの相互作用によって機能する場合が多くあります。
例えば、たんぱく質の代謝にはビタミンB6が必要ですが、ビタミンB6を活性化させるにはビタミンB2が必要になります。エネルギーを代謝する場合にはビタミンB群全体(B1、B2、B6、B12、葉酸、ビオチン、パントテン酸、ナイアシン等)が必要になります。
また、ビタミンは多くの場合、単独で働く時より、他の種類のビタミンと合わさることにより更に効果を高めます。
例えば、ビタミンAはビタミンB群、ビタミンD、ビタミンEと一緒の時に効果が高まります。ビオチン(ビタミンH)はビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB6、ビタミンAと一緒に摂ると効果が高まる等々、、。
このようにビタミンを効果的に働かせるためには多くの種類のビタミンをバランスよく摂取することが大事なのです。偏った食事をせず、色んな物をバランスよく食べた方が健康に良いというのはこのような背景もあります。
逆に言うと、1種類のビタミンをどんなに摂っても他のビタミンを摂取していなければ利用されること無く体外へ排出されてしまい、ビタミン不足の状態となってしまうのです。
ヨーグルトに含まれるビタミン類は極端に多いというわけではありませんが、豊富な種類のビタミンがバランスよく含まれているため、それほど多い量でなくても効果的にビタミンを摂取できるためビタミン不足を解消しやすくなるのです。
更に、相互作用の関係はビタミンだけでなくミネラルにも及びます。ミネラルもバランスよく含むヨーグルトはその意味でもビタミンを効果的に摂取できると言えます。
2.不足しやすいビタミンB2が豊富に含まれている
ヨーグルトには様々なビタミン類がバランスよく含まれているのは前項でご紹介した通りですが、中でも多く含まれているのはビタミンB2です。
先程、1種類のビタミンを多く摂取してもあまり意味が無いといったことを説明しましたが、ビタミンB2に関しては少し状況が違います。
ビタミンB2は脂質や糖質をエネルギーを代謝する際に必要な補酵素で、現代のように脂質や糖質を大量に摂取する食生活では多量のビタミンB2が消費されています。
またビタミンB2は粘膜の健康維持に重要なビタミンですが、粘膜は他の細胞に比べ代謝が活発なため、ここでも多量のビタミンB2が消費されています。
このようにビタミンB2は大量に必要とされているのですが、ビタミンB2は体内に貯蔵しておくことができないため、絶えず摂取が必要なビタミンなのです。しかしながら、ビタミンB2は水溶性ビタミンであるため調理過程で水と一緒に流れ出てしまい、非常い摂取しにくいビタミンと言えます。
このため、現代人の多くは常にビタミンB2不足になっていると言われています。
そのようなビタミンB2がヨーグルトには豊富に含まれており、また調理の必要がないためそのまま効率よく摂取することができ、ビタミンB2不足の解消を促進するのです。
ビタミンB1が不足すると肌荒れや吹き出物、口内炎などの症状が出ますが、ヨーグルトを食べるとこれらの症状が軽減する一つの要因はビタミンB1不足を解消するからと言われています。
3.体内のビタミン合成・吸収を良好にする
一般的にビタミンは体内で合成できないとされていますが、実際には腸内細菌が腸に入ってきた食べ物や腸内に存在する成分を代謝して多くのビタミンが合成されています。
腸内細菌によって作られるビタミンはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンK、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸、リボフラビンなどです。
これらは腸内細菌の善玉菌によって作られますが、腸内環境が乱れて悪玉菌が増えれば善玉菌が減り、当然ビタミン合成もうまくいかなくなります。
つまり腸内環境の乱れもビタミン不足の要因となります。便秘になると肌荒れや吹き出物ができるのは、腸内環境が悪化することによるビタミン不足が一因になっているとも言われます。
ご存知の通りヨーグルトには腸内環境を改善する効能がありますので、腸内細菌によるビタミン合成を良好します。そう言った意味でもヨーグルトにはビタミン不足を改善する効果があると言えます。
また、多くのビタミンは腸から吸収されます。腸内環境が乱れていれば当然ビタミン吸収が阻害されます。ヨーグルトの腸内環境を改善する効能は効率的なビタミン吸収につながり、ビタミン不足解消を促進しているのです。
4.ビタミンを破壊する悪玉菌を減少させる
腸内細菌はビタミンを合成するだけではありません。腸内細菌自体がビタミンを必要として消費することもあります。ビタミンを破壊する菌もあります。
腸内環境は複雑なので、どの菌がどのビタミンをどの程度消費したり破壊するかは、まだはっきりと分かっていません。
通常は腸内細菌が消費するビタミン程度であれば、ビタミン不足には至らないと考えられていますが、やはり悪玉菌が増えるとビタミンが不足しやすいケースが確認されています。
具体的な例をあげるとビタミンB1とビタミンB12があります。
いくつかの研究報告によると、ビタミンB1やビタミンB12を摂取しても欠乏症になってしまう人が一定の割合でいることが分かっています。
この現象の原因はまだ特定されていませんが、これらの人達にヨーグルトなど腸内環境を改善する食事を続けてもらうと欠乏症が改善することから、腸内細菌に原因があると推測されており、悪玉菌が産出するインドールなどの有害物質が要因となっている可能性が高いと考えられています。
ビタミンB1は糖代謝に必要な成分で、現代人にとって大量に必要になるビタミンです。また、ビタミンB2同様水溶性ビタミンなため摂取しにくく、さらに体内に貯蔵できないので不足しやすいビタミンです。
このように、ただでさえ不足しやすいビタミンをヨーグルトが腸内環境を改善することによって悪玉菌による破壊を防ぎ、ビタミン不足を軽減しているのです。
5.手軽にビタミンを摂取できる
前述したようにヨーグルトは取り立ててビタミン量が多いわけではありません。特定のビタミンに絞ればヨーグルトの倍以上のビタミンを有している食べ物は沢山あります。
ただし、それらの食べ物を毎日食べるのは現実的に不可能です。例えば、不足しやすく毎日の摂取が必要なビタミンB2を多く含む食材はレバーやうなぎです。これらを毎日食べられるでしょうか?
また、ビタミンは様々な種類を摂らなければ意味がないので、それを行うには特定のビタミン含有量の多い食材をチョイスして調理するという方法があります。しかしそれは大変な手間ですし、お金もかかります。これも毎日続けるのは無理なのではないでしょうか?
その点、ヨーグルトは苦労なく毎日食べることができますし、お金もそれ程かかりません。つまり、様々な種類のビタミンを無理なく毎日摂取することができるのです。おまけにミネラルや乳酸菌も摂取できます。
ビタミン不足を解消するのに一番重要なのは毎日続けて摂取することなのです。そういった意味では手軽に様々なビタミン摂取できるヨーグルトは理想的なビタミン食材と言えます。
ビタミン不足解消を期待する上での注意点
様々なビタミンがバランスよく含まれいるヨーグルトですが、一つ重要なビタミンが殆ど含まれていません。それはビタミンCです。
ビタミンCはコラーゲン生成に必要であったり鉄の吸収を促進するなど多くの働きをするビタミンです。そして重要な抗酸化物質でもあります。
ビタミンCも不足しやすいビタミンであるため、常に摂取を心がける必要があります。
ヨーグルトがビタミン不足解消に効果的と考えて、ヨーグルトを食べれば安心と思っているとビタミンC不足になる可能性がありますので、そのことを留意しておく必要があります。
ヨーグルトにビタミンCを多く含むキウイフルーツやいちごなどを入れて食べるのは美味しくて理想的なビタミン補給となります。
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