肌荒れ・ニキビの予防、改善
ヨーグルトは肌荒れ・ニキビに効果的と言われます。最近ではヨーグルトを食べるだけでなく顔に塗るヨーグルトパックというものまで登場しているぐらいです。
しかし、なぜヨーグルトが肌荒れやニキビに効果的なのでしょうか?
肌荒れやニキビの原因は様々なものがあるため、ヨーグルトは全ての肌荒れやニキビに効果的というわけではありません。
ヨーグルトが効果的なのは主に食生活に起因する肌荒れ・ニキビです。
食生活と肌荒れ・ニキビには密接な関係があることはご存知かと思います。暴飲暴食した時、甘いものをたくさん食べた時、コーヒーやお酒を大量に飲んだ時などニキビや吹き出物が出て肌が荒れた方も多いのではないでしょうか。
また、便秘の時にも肌荒れやニキビが出やすくなるということもよく知られています。これらの肌荒れやニキビの原因には腸の働きが大きく影響しています。
この腸の働きを元気にすることで肌荒れやニキビを予防・改善するというのがヨーグルトの効能です。
その内容を詳しくご説明します。
ヨーグルトが肌荒れ・ニキビに効果的な理由
ヨーグルトが肌荒れ・ニキビに効果的な理由は主に腸内環境にあります。
肌荒れ・ニキビの原因の一つは腸内環境の乱れ
暴飲暴食、甘いものやコーヒー、お酒の大量摂取することで肌荒れやニキビの症状が現れる根本の原因には腸内環境の乱れというものがあります。
これらの食行為は腸内の悪玉菌を増やし腸機能を低下させます。このことは肌荒れ・ニキビの引き金となる次の二つの要因を生み出します。
1.栄養吸収力が低下する
善玉菌と呼ばれる腸内に存在する細菌は食べたモノを分解したり、他の成分に変換・還元などをするなど、腸の栄養吸収において重要な働きをしています。
善玉菌や悪玉菌など腸内細菌の総量は一定なので、暴飲暴食などで悪玉菌が増えると善玉菌は減ります。そうなると栄養吸収力が低下し、健康な肌を維持するための栄養成分が不足しがちになるのです。
2.有害物質が体内に循環する
悪玉菌が増えると消化活動が低下するため、腸の大切な役割である不要物や有害物質の分解、排出が滞るようになります。また、悪玉菌自体も有害物質を産出する性質があるため腸内に不要物や有害物質が充満してきます。
いわゆる便秘の状態になってきますが、問題は排出されない不要物や有害物質が腸から吸収され、血液を通して全身に巡っていくことです。
このことは体の様々な部分に悪影響を生じさせますが、その中でも敏感な肌は肌荒れやニキビとなって症状を現します。
肌荒れ・ニキビになる直接の原因
前段でご説明した「栄養吸収力の低下」と「有害物質の体内循環」は肌荒れ・ニキビの直接の原因となる「免疫力の低下」と「肌のターンオーバーの乱れ」を引き起こします。
免疫力の低下が肌荒れ・ニキビの原因となる理由
肌は外部と接しているためにバイ菌やウイルス、紫外線など常に有害物質の攻撃を受けています。その状態で健康な肌が維持できているのは免疫機能があるからで、もし免疫機能が無ければ肌はすぐに細菌に感染したり、腐食し始めます。
腸内環境が乱れることによって有害物質が体内に循環するようになると、免疫機能はその処理に追われる為に通常の免疫処理ができなくなり、体全体の免疫力が落ちてきます。
そうなると常に免疫力を必要とする肌は真っ先に症状が現れてきます。それが肌荒れやニキビなのです。
肌のターンオーバーの乱れが肌荒れ・ニキビの原因となる理由
肌荒れやニキビなどのトラブルが起きても通常であれば肌のターンオーバーによって健康な肌に生まれ変わります。
肌のターンオーバーとは肌の再生サイクルのことで、肌は約28日周期で再生を繰り返しているのです。
ところが腸内環境の乱れによって十分な栄養が摂れなくなると肌に必要な成分が不足して肌のターンオーバーに乱れが生じてきます。
そうなると肌の再生が遅れ、肌荒れやニキビが治りにくくなってしまうのです。
このように腸内環境の乱れは「免疫力の低下により肌荒れ・ニキビができやすく、そして肌のターンオーバーの乱れによって肌荒れ・ニキビが治りにくい」という状況を引き起こすのです。
ヨーグルトは腸内環境を改善し、肌荒れ・ニキビの原因を抑制する
悪玉菌が増えることで善玉菌が減り、腸内環境が乱れることが肌荒れ・ニキビの原因になることがご理解頂けたかと思います。
さて、ヨーグルトには善玉菌の一種である乳酸菌が大量に含まれています。ヨーグルトを食べることで乳酸菌が腸に届き、善玉菌が増殖するのです。
善玉菌が増殖すると悪玉菌が減ってきます。そうなると乱れていた腸内環境が改善し、肌荒れ・ニキビの根本原因だった「栄養吸収力の低下」や「有害物質の体内への循環」も改善されていきます。
そうして免疫力や肌のターンオーバーも回復してきて肌荒れ・ニキビが治ってくるのです。
これがヨーグルトが肌荒れ・ニキビを改善する仕組みです。
勿論、普段からヨーグルトを食べることで悪玉菌が増えにくい腸内環境にすることは肌荒れ・ニキビを予防することにもなります。
尚、通常のヨーグルトに含まれる乳酸菌は腸に届く前に胃酸や胆汁酸で殆ど死滅してしまいます。しかしながら、死んだ乳酸菌も腸内で善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やすことができるので肌荒れ・ニキビ改善に十分効果的と言えます。
肌荒れ・ニキビの予防や改善に効果的な成分がヨーグルトには含まれている
ヨーグルトが肌荒れやニキビを予防・改善するのは主にヨーグルトに含まれる乳酸菌によるものですが、それ以外にもヨーグルトには美肌に役立つミネラル、たんぱく質、ビタミンなど豊富が含まれています。
これらヨーグルトに含まれる美肌成分も肌荒れやニキビの予防・改善に役立っていると考えられます。最近ではこれらヨーグルトの成分は顔に直接塗っても効果があるとのことで「ヨーグルトパック」と言われるものまで登場しています。
ヨーグルトの美肌効果やヨーグルトパックに関してはこちら(ヨーグルトの美肌効果)に詳細をご紹介していますので併せてご覧ください。
肌荒れ・ニキビを改善するヨーグルトの食べ方
腸内環境の乱れによって生じた肌荒れやニキビを改善するには、ヨーグルトの食べる量と期間に留意する必要があります。
乱れた腸内環境を改善するにはヨーグルトを1日200g以上を最低2週間は続ける必要があると言われます。
1日200gというのは結構多い量と思われるかもしれませんが、朝晩で100gずつと考えればそれほど無理な量ではありません。
肌荒れ・ニキビにオススメのヨーグルト
どのヨーグルトも肌荒れ・ニキビに効果的と言えますが、いくつかお勧めのポイントがあります。それは次の通りです。
低脂肪・低糖のヨーグルトを選ぶ
後述しますが、脂肪や砂糖は肌荒れやニキビを促進する要素でもあります。また肥満の原因にもなりますのでできるだけ低脂肪、低糖のものを選びましょう。最近では無脂肪、無糖のプレーンヨーグルトもたくさん発売されています。
”腸まで生きて届く乳酸菌”が含まれるプロバイオティクスのヨーグルトを選ぶ
既述したようにヨーグルトに含まれている乳酸菌は腸に届く前に胃酸や胆汁酸で殆ど死んてしまいます。死んでしまった乳酸菌も善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やす効果はあるのですが、やはり腸まで生きて届く乳酸菌の方が効果を期待できます。
最近では腸まで生きて届く乳酸菌を含むプロバイオティクスのヨーグルトが数多く販売されていますので、できればそれをお勧めします。
豆乳ヨーグルト
肌荒れ・ニキビ改善や美肌に一番オススメのヨーグルトは豆乳ヨーグルトです。
豆乳ヨーグルトは通常のヨーグルトより若干カルシウム量は少なくなりますが、それ以外の成分メリットはそのままに豆乳の栄養効果が加わった凄い食べ物なのです。
豆乳には大豆イソフラボン、大豆サポニン、大豆オリゴ糖、大豆レシチン、そしてビタミンB群など美容に効果的な成分が豊富に含まれています。
豆乳ヨーグルトに含まれる乳酸菌は植物性乳酸菌であり腸まで生きて届くプロバイオティクスの乳酸菌でもあります。
さらに大豆オリゴ糖、食物繊維といった善玉菌を増やす成分も豊富に含まれています。
また、豆乳ヨーグルトは植物性なので基本的に無脂肪で、プレーンのものは当然無糖ですので腸を刺激することもなく、また太りにくい食べ物でもあります。
このように豆乳ヨーグルトは肌荒れ・ニキビに効果的なだけでなく美容全体に効果的な食べ物なのです。
豆乳ヨーグルトに関してはこちら(豆乳ヨーグルトのご紹介)に詳細がありますので、併せてご覧ください。
ヨーグルトが肌荒れ・ニキビの原因となる場合もある
肌荒れやニキビを予防・改善するのに効果的なヨーグルトですが、体質によっては肌荒れ・ニキビを悪化させてしまうこともあります。
ヨーグルトが肌荒れ・ニキビを悪化させる要因には次のようなものがあります。
脂肪
ヨーグルトに含まれている脂肪には腸を刺激したり、コレステロール値を高める、さらに皮脂量を増やすなど肌荒れ・ニキビを促進する要素があります。
糖
糖質は肌に必要な栄養素を消費してしまうため肌荒れ・ニキビの要因となります。また免疫力の低下や血流を悪くする傾向があり、このことも肌荒れ・ニキビに繋がっていると考えられています。
IGF-1
ヨーグルトを含む乳製品にはIGF-1(インスリン様成長因子)という成分が含まれています。まだ研究段階ですが、このIGF-1には皮脂腺を活発化することで肌荒れ・ニキビを誘発するとも言われています。
乳糖(ラクトース)
牛乳を飲んでお腹を壊す原因物質である乳糖はヨーグルトにも含まれています。ただし、乳酸発酵段階でかなり乳糖が分解されているので牛乳よりは少量になっています。
しかし、この乳糖を分解できない乳糖不耐症の人にとっては腸を刺激する物質となってしまうため肌荒れ・ニキビの原因になることがあります。
カゼイン
カゼインは牛乳やヨーグルトに含まれるアレルギー成分です。本格的な牛乳アレルギーの人はカゼインを摂取した場合、肌荒れ・ニキビ程度では済みませんが、軽度のアレルギーの場合はヨーグルトを食べると肌荒れ・ニキビの症状が出ることがあります。
このようにヨーグルトには確かに肌荒れ・ニキビを誘発する要因があります。しかし、体質によるところが大きく、通常であればそれ程心配することはありません。勿論、ヨーグルトを食べて肌荒れやニキビが悪化するような場合はすぐ食べるのを止めましょう。
尚、ヨーグルトを食べて肌荒れ・ニキビが悪化する人は一度、プレーンの豆乳ヨーグルトを試してみてください。
プレーンの豆乳ヨーグルトには上記にある肌荒れ・ニキビを悪化させる要因が一つも含まれていません。
そう言った意味でも肌荒れ・ニキビには豆乳ヨーグルトがお勧めなのです。
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