EPS(菌体外多糖・細胞外多糖)
EPSとはExopolysaccharide(エキソポリサッカライド)の略で、日本語では菌体外多糖もしくは細胞外多糖と言われます。
このEPS(菌体外多糖)は微生物が産生する多糖体の総称です。多糖体というのはその名の通り複数(主に10個以上)の糖が結合してできる物質です。
多糖体はゲル状で粘質性があり、体内において細胞形成の重要な要素であったり体組織の成分となったりと人間だけでなく生物に欠かせない成分です。また、その性質から食品や薬品などの添加物(安定剤)や接着剤などにも利用されます。
多糖体は多くの植物にも含まれていますが、以前からキノコ類や海藻類に含まれる多糖には免疫力を高めたり癌(がん)を予防する効能があると言われてきました。
同じようにヨーグルトにも免疫力を高める効果があることが確認され、その仕組みを探る過程でキノコ類の多糖の例もあり、このEPS(菌体外多糖)が注目されたというわけです。
ヨーグルトにおけるEPS(菌体外多糖・細胞外多糖)
ヨーグルトは乳酸菌が醗酵することにより作られます。その醗酵過程で乳酸菌はいくつかの物質を産生しますが、その内の一つがEPS(菌体外多糖)です。
ヨーグルトのネバネバした粘り気はこのEPS(菌体外多糖)によるものです。
多くの実験ではEPSを産生する乳酸菌を含むヨーグルトやEPSそのものをマウスに与え、インフルエンザウイルスに感染させると有意に生存率が高くなること、肺胞中の抗インフルエンザ抗体の上昇や脾臟中のNK細胞の活性化などが認められています。
そのため乳酸菌が分泌するEPS(菌体外多糖)は免疫力を高めたり、風邪ウィルスやインフルエンザウイルスへの感染予防などに関与すると考えられています。
尚、EPSには中性と酸性の2種類が存在しますが、これら免疫の活性化は酸性EPSが寄与していることが確認されています。
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