インフルエンザの予防
インフルエンザを予防する効果をヨーグルトに期待する人は多いのではないでしょうか?
以前、インフルエンザが流行した時「明治プロビオヨーグルトR-1」というヨーグルトが売れすぎて品切れになる店が続出するということがありました。
テレビや雑誌でヨーグルトはインフルエンザ予防効果があり、中でも「明治プロビオヨーグルトR-1」は効果性が高いという情報が出回ったためです。
ある種の宣伝効果という側面があったとは思いますが、ヨーグルトに関する研究論文や特許をを調べると確かにインフルエンザを予防する要素があることが分かります。
ここではそのヨーグルトとインフルエンザの関係を調べた内容をご紹介しますでの、ご興味があればお読みください。
インフルエンザとは?
ヨーグルトによるインフルエンザの予防効果をご説明するに際し、インフルエンザのことを簡単に知っておく必要があります。
インフルエンザとはインフルエンザウィルスに感染することによって発症する病気です。インフルエンザウィルスにはA型、B型、C型があり、それぞれの型のウィルスは少しずつ変化し亜種を作ります。
インフルエンザは症状が急激に現れるのが特徴で最悪の場合は命を落とすこともあります。ウィルスが少しずつ変化するため免疫が効きにくく、生涯を通じて何度も発症する危険性があります。
インフルエンザと風邪の違い
風邪とはウィルス感染によって起きる症状全般のことを指すので広義の意味ではインフルエンザも風邪の一種と言えます。
ただし、インフルエンザは症状に特徴があり、また他のウィルスと比べて感染する割合も高いので一般的には風邪と区別されています。
具体的には次のような分け方をされています。
風邪
基本的には上気道部分(のどや鼻)の粘膜へのウィルス感染で、症状も上気道の炎症に伴う、咳や鼻水、くしゃみなどです。発熱も微熱程度で、全般的に症状が穏やかです。
インフルエンザ
咳や鼻水、くしゃみなど風邪の症状に加え、関節痛、全身倦怠、食欲不振、頭痛など体全体に症状が出ます。また発熱も38度以上の高熱になり、急激に症状が現れるのが特徴です。
ヨーグルトがインフルエンザを予防する仕組み
結論から申しますとヨーグルトがインフルエンザを予防する仕組みは「免疫力を高める」効果にあります。
ヨーグルトの免疫力を高める効果は多くの研究で確認されており、まだ解明できていないことも多いですが具体的な部分も分かってきています。
※ヨーグルトの免疫力を高める効果の詳細を知りたい方はこちら(ヨーグルトの効果・効能:免疫力を高める)を参照ください
ヨーグルトが高める免疫力とは、マクロファージやNK細胞、インターフェロンなど大まかに言うと「自然免疫」に関する部分です。自然免疫とは免疫の初動を司り、体内の異物を片っ端から攻撃する免疫細胞のことです。
自然免疫は強力な体内の防御システムですが、対応できる量には限界があります。そしてその限界量は人によって違います。
ヨーグルトはその限界量を高め、インフルエンザウィルスの感染リスクを軽減する効果があります。つまり、それがヨーグルトのインフルエンザ予防効果のことなのです。
ヨーグルトが効果的なのはあくまで「予防」
自然免疫は基本的に異物と認識できるモノは攻撃できますが、異物と認識できなければ攻撃できません。インフルエンザはウィルスは体内の細胞に侵入するので、感染してしまうと異物と判断できず自然免疫は攻撃できなくなります。
自然免疫が効果を発揮するのはインフルエンザウィルスが体内に侵入してきて細胞に感染するまでの間なのです。
よってヨーグルトのインフルエンザに対する効果もこの間におけるもの、つまり感染予防なのです。ですので一度インフルエンザが発症してしまうとヨーグルトによる効果はあまり期待できません。
ただし、細胞に感染したウィルスが他の免疫機能である抗体によって顕在化してからは、再度自然免疫が攻撃を始めるのでインフルエンザの治りが早くなることは期待できます。
ヨーグルトはインフルエンザの予防注射の効果を高めることも期待できる
インフルエンザを予防する一番効果的な方法は予防注射をすることです。インフルエンザの予防注射とは、軽度のインフルエンザウィルスを体内に入れて、そのウィルス専用の免疫機能である「抗体」というものを作ることでインフルエンザの発症を予防するというものです。
抗体は的確にウィルスを死滅に導くので非常に効果性の高い予防方法と言えます。ただし、完璧にインフルエンザを予防できるわけではありません。インフルエンザウィルスの型が違う場合がありますし、型が同じでも少し変化した亜種である可能性があるからです。
このような場合はインフルエンザが発症しますが、それでも予防注射をしていると症状が軽減されると言われています。これは免疫機能がある程度ウィルスの情報を持っているため、抗体の生産が早くなるためです。
近年の研究ではヨーグルトを食べると予防注射の効果も高めるという報告が発表されています。
実験によると、ヨーグルトは予防注射によって作られる抗体生産を促進させ、また抗体が生産されてから活動するキラーT細胞という免疫細胞も活性化させる働きがあることが確認されています。併せて、前述した自然免疫が強化されることも予防注射の効果を高める要因と言えます。
インフルエンザを本格的に予防するには、予防注射をして日々ヨーグルトを食べるというのが非常に効果的なようです。
インフルエンザに効果的なヨーグルト
免疫力を高めるという意味では多くのヨーグルトがインフルエンザに効果的と言えますが、以下では臨床実験等で実際にインフルエンザの発症リスクを低下させることが確認できたものをいくつかご紹介します。
明治プロビオヨーグルト R-1
ヨーグルトがインフルエンザに効果的であることを一気に広めたヨーグルトと言えます。もっともそれを目的に開発された「1073R-1株」という乳酸菌を利用したヨーグルトですので当たり前です。研究資料も豊富で、インフルエンザ予防を期待するなら、まずはこのヨーグルトでしょう。
プラズマ乳酸菌ヨーグルト KW乳酸菌
小岩井乳業とキリンビバレッジの共同開発による「プラズマ乳酸菌(JCM5805株)」というインフルエンザや風邪の軽減を目的に開発された乳酸菌を利用したヨーグルト。このヨーグルトにはKW乳酸菌(KW3110株)というアレルギー症状にも効果的な乳酸菌が加えられています。
まもるチカラのサプリ
すっきりヨーグルトテイスト
「プラズマ乳酸菌ヨーグルト KW乳酸菌」のキリンビバレッジ版です。ヨーグルトテイストであり、厳密にはヨーグルトではありません。また、KW乳酸菌も含まれていません。
ビヒダス プレーンヨーグルト
インフルエンザの感染予防効果が確認されている「BB536」というヒト由来のビフィズス菌を利用したヨーグルト。感染予防をはじめアレルギーにも効果的で免疫力全般を向上させる効果が期待できる。
カゴメ植物性乳酸菌ラブレ
京漬物から発見された「ラブレ菌(KB290株)」という乳酸菌を含むヨーグルト。このラブレ菌は小学生を対象にした大規模調査が行わており、そこでインフルエンザの感染リスクを軽減できることが確認されています。
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